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海沿いの道をふたりで歩きながら、僕は明るい海をみた。
夜と違って、海の向こうまで見える景色。
その海の姿が、今の少し先の見えつつある僕の未来とそっくりで笑顔になる。
「ミケは、海と星が好きなのか?」
海から隣を歩くつばきの顔に目線を変える。
「俺が最初に見つけた時も、砂浜で海と星を眺めてたし、今も海眺めてた」
前を向いたままのつばき。
僕はつばきの顔を見ながら「好き」と答えた。
「つばきは名前にうみが入ってるからいいな…」
「あぁー。だから最初、名前教えたとき、うみを何回も呟いてたのか」
「うん。いいなー」
つばきの口角が綺麗に上がってる形のいい唇を見詰める。
「じゃあ、お前も卯海って苗字にすればいいんじゃね?」
冗談っぽく言ったつばきは、僕の顔を見た。
「……そうする!卯海ミケって名前にする!」
つばきがつけてくれた名前。
僕の好きな、うみという言葉も入ってる最高な名前…。
「いやいや。冗談で言ったんだけどな…」
困ったように呟いたつばきの声は、嬉しい気持ちでいっぱいだった僕の耳には入らなかった。
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