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「んぁ……?」
目が覚めると、そこは自宅じゃなかった。
「(ここ…どこだ…?俺は…。)」
「目ぇ覚めたかよ。犬井。」
「…猫村…。」
「…悪かった。取り返しつかねぇこと…した。」
「猫村、俺はな…。」
「もう、あんたの事、諦めるから。」
「だから、話を…!」
「だから、嫌わないで…。」
「え…。」
「都合いいこと言ってんのはわかってる。こんなことして、嫌うなとか何いってんだって感じだけど、もうあんたと関わらないようにするし、好きとか言わないし、なんなら派手なカッコしたりしねぇし、授業だって出る。だから、嫌いになんないでよ…犬井せんせ…。」
「猫村…。」
「あんたに嫌われるのは怪我をするよりも、痛くて辛い。あんたに負わせた痛みも傷も、全部俺のせいだから、好きなだけなんでも言って。なんでもする。」
「猫村!!!!」
「…っ。」
「話、聞いてくれるか?」
猫村は、虚ろな目で俺の顔をじっと見た。
「俺のことをそんなに好きでいてくれたんだな。ありがとう。でも、お前はやっぱり大事な生徒だよ。今は、それ以上にはしてやれない。それは、わかってくれるな?」
こく、と猫村は頷いた。
「ん、それだけわかんなら充分だ。あとはそうだな……。あ、そうだ。でも、勝手だけど、俺もお前に嫌われるのは、なんか辛い。お前が急に避け始めたら、ちょっと寂しい。別に好き好き言われんのは嫌な気しねぇし、お前が言いたいなら別に構わないから。」
ここまで言って、猫村の顔を見た。
猫村の目付きが変わっていた。
「…それって、あんたのこと諦めなくていいってこと?もしそうなら、覚悟した方がいいよ。」
「ぅあっ!?」
急に腰を引き寄せられ、素肌同士が触れ合う。
「どんな手使っても、あんたのことオトすから。覚悟決めてろよ。犬井せんせ。」
そこにいたのは、さっきまでのぐずぐずした猫村のじゃなかった。
いつもみたいなからかう顔をしつつ、目だけは欲を孕んでギラギラと光っていた。
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