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芽吹いた気持ち
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んーーーー。
なんか寒い。
布団どこだ?
よいしょ、ぐーっと手を伸ばすと、
ドサッ!
「痛った!」
ベッドから落ちた。
俺を落としたベッドを見ると、
「エッ!此処どこ!! ?」
俺のものではないベッド。見回すと、そこも俺の部屋ではない。俺のゴチャゴチャした部屋とは違い、シンプルで片付いた部屋。
えーっと。昨日確か小日向さんと居酒屋にいって、そこから‥‥、うーん記憶なし。
頭を捻っていたら、ガチャ、とドアが開いた。
「今、音したけど大丈夫?あ、おはよう。」
そこにはラフな格好をした小日向さんがいた。
「あ、えと、俺、ここ、えと、」
「ふふ。落ち着いて。昨日ね那智くんが俺のグラスのお酒を間違えて呑んで寝ちゃったから、連れてきたんだ。駅で、家の人に迎えにきてもらおうって言ったんだけど、那智くん起きなくて。勝手に連れてきてごめんね。」
「あ、いえ、こちらこそすみません!ありがとうございました。」
えーーーっ!ちょっと!めっちゃ失礼なことしてるじゃん、オレ!
こっちから誘ったのに‥。
酒呑んで寝るとか‥はぁ、情けな。
しかしなんでそんな急に寝たんだ?
学校もバイトも無い日だから疲れてもないのに‥。
夢遊病?いや、それは違うよね‥。
てゆーかどうやってここまできたの?
おんぶしてもらった?電車?タクシー?
あ、タクシーなら代金払わないと。
えーっと、えーっと‥
1人で悶絶してると、
「ふふ、もしかして昨日のこと覚えてない?ここまでは俺が支えながら歩いてきたよ。ベッドまでは抱っこして運ばせてもらったよ。」
えーーーっ!申し訳ない!
「す、すみません!重たかったですよね!本当にすみません!」
「あ、大丈夫だよ、軽かったから。昨日は俺も楽しかったよ、‥‥ありがとう。」
ふと寂しげな表情が小日向さんの顔をよぎる。
ズッキュ。
え?何、今の音?なんか心臓圧迫されるな。変な姿勢で寝てたのかな?
あ、そうだ。
「小日向さん、今度はいつ食事に行きます?」
俺がそう言うと、小日向さんは目をパチクリした。
あれ?なんか変なこと言った?
「あ、えーっと、それは俺と一緒に行くんだよね?」
あれ、俺、小日向さんって言わなかったかな。
「はい!勿論です!昨日は途中から記憶が無いので、もっとちゃんと話をしたいんです。
俺、小日向さんのことちゃんと知りたいから。」
思ったことを言うと、小日向さんは固まった。
「‥‥昨日、オロチが俺に懐いたこと不思議だって言ってたね。そういうことなら犬の躾のオススメ本があるから、それ渡そうか?」
「あ、違います。犬絡みを知りたいんじゃなくて、小日向さん自身のことをもっと知りたいんです。」
更に小日向さんは固まった。
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