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未来 友side
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勢いで大和を押し倒したはいいものの、
気の利いた言葉一つ吐いてやることもできない。
今だって、黙り込む俺をじっと見つめてる。
きっと俺のことを心配してるに違いない。
そこまで分かってんのに、何も言葉が出ない。
俺は……何て不甲斐ないんだ。
すると、大和が俺の頭に手を伸ばした。
「大丈夫だよ、友さん。」
子どもの時、たしかに感じた。
労わるような重み。
優しさ。
道で転けた俺が泣きじゃくって……
先々歩いて行ってたくせに、少し慌てて戻ってきたのは
叔父さん……?
いや、……親父だ。
立てと言われても痛くて立てない俺に、
困ったように親父は手を伸ばした。
「大丈夫、大丈夫だから。男だろ?
ほら、大丈夫だよ、友。」
頭に触れた温もり。
俺を覗き込む優しい瞳、穏やかな声。
俺に触れる、暖かい手。
あぁ……俺は、きっと愛されていた。
親父……父さん、俺はどうして気付かなかったんだろう。
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