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しつけ教室
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何故か白鷺さんが僕を家まで送ってくれると言う。
なんでこんなことに・・。
今日で最後だからかな?
運転する白鷺さんを盗み見る。
ホント、綺麗な顔してる。
線が細いように見える身体も、しっかり筋肉が付いてる。
僕みたいな、モヤシとは大違いだ。
恋人、とかいるんだろうな・・
手を繋いだり、キスしたり、抱き締めたり・・・
ん?
なんだ?
胸が苦しい。
「大和?大丈夫か?」
「あ、は、はいっ。」
苦しさが緩和された。
なんで?
よく分からない。
この人といると、よく分からない現象が起こる。
どうしてだろう。
まさか、
・・・まさか、地球外生命体、とか?
白鷺さんをじっと見る。
「あの・・・」
「ん?」
「白鷺さんは、地球上の生命体ですよね?」
「・・・は?」
キッ、と車が停まる。
丁度信号にかかった。
白鷺さんがこちらを見る。
「もっかい言って、多分聞き間違えたから。」
「はい。白鷺さんは地球上の生命体ですか?」
「・・・ぶはっ。」
え・・・・?
「あっはははははっ!!大和、お前ホント面白いな!
ぷくっ、くっ、苦しい!俺、エイリアンに見えるの?
口の中から細長い口出てくんの?ぶははっ。
あ〜、こんなに笑ったの久しぶりだわ〜。」
信号が青に変わる。
まだヒーヒーと、笑っていたので、
「運転中に危ないですよ。」
「いや、誰のせいだよっ!!
あはははっ!ホントお前といると楽しいわ〜!」
楽しい?
僕といると?
僕なんかと?
緩む口元を隠すように俯いた。
「今日で終わりだけど、またメシでも食いに行こうぜ。
兄貴に俺の連絡先教えてもらっといて。」
「はい。」
また、会える?
貴方と。
そう思うと、胸がドキドキしてきた。
ーー“大和くんと居ても、楽しくない“
そんなこと・・
そうなのかな・・
僕、僕は・・
「大和?」
ハッと意識を戻した。
「大丈夫か?家、着いたぞ。」
そこは自宅の前だった。
「ありがとうございます。助かりました。・・・」
『また』って言いたいけど。
それは分からないよな。
さっきのは挨拶みたいなもんだろうし。
「おう。連絡しろよ。」
ぽん、と頭に手を乗せられる。
「えっ。」
思わず彼の方を見た。
「うおっ、いきなりどした?」
「あ、い、いえ・・。」
次、あるのかな?
でも聞けない。
聞く権利も無いよね。
「じゃあ、失礼します。」
頭を下げて、今度こそ車を降りた。
軽く手を上げて、走り去っていく。
車が見えなくなっても、僕はその場から離れられなかった。
おさまらない胸の鼓動を感じながら・・・。
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