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噛み合わない気持ち
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「はぁっ、はぁっ、」
僕は自分の太腿を支えに何とか体勢を維持していた。
力を抜くと、白鷺さんの胸に飛び込んでしまう。
それだけはなんとしてでも避けなければ・・・!
ぷるぷるしながら耐えていると、
「わっ」
がばっと白鷺さんの胸に抱き込まれた。
見苦しかったんだろうか。
「すみません。」
「ん?何が?・・大和、ありがと。」
ちゅ、と僕のこめかみにキスをしてくれる。
あなたこそ何がありがとうなんだ?
分からない。
聞きたいけど、聞けない。
うるさい奴だと思われたくないし。
バレないように、そっと溜息を吐く。
その後、汚れたところを拭いて、一緒にベッドに入る。
いいのかな、一緒に入ったりして。
白鷺さん、付き合ってる人とかいないのかな?
僕がベッドに入ると嫌がる人が居るんじゃないのかな?
ん?
てゆうか、僕って、白鷺さんの何なんだろう。
でも、そんなこといちいち聞いたら鬱陶しがられるか。
僕みたいな子供じゃないもんな、白鷺さんは。
悶々と考えていると、スースー、と
整った寝息が聞こえてきた。
なかなか寝付けない僕はお水でももらおうと、そっと
ベッドを出た。
キッチンでグラスに水を入れて、飲む。
その時、カウンターの上でブーとスマホが振動した。
あれ。こんな所に置いてる。
そうか、さっき白鷺さん水を飲みに行ってたもんな。
渡した方がいいのかな?
スマホを掴む。
すると、流れるメッセージが目に入った。
『諒太』さんから
『俺もお前のことが好きだよ、友。だからセフレとは切ってくれよな。』
ドンッ、
身体を支えきれず、床にしゃがみこむ。
カタカタと震える身体を抱きしめる。
「はぁっ、はぁっ、」
息が荒くなる。
落ち着いて、落ち着いて。
「はぁっ・・・」
最初から分かってたじゃないか。
僕を本気で好きになる人なんて、家族以外にはいない。
あんな素敵な人に、恋人やセフレの人はたくさんいる。
兄ちゃんだったら、どうするんだろう。
きっとハッキリ聞くんだろうな。
そして恋人になる。
もしもセフレ扱いだったら、すぐに関係を切るだろう。
そういう凛とした人だ、兄ちゃんは。
でも僕は、僕にはできない。
だって僕は、セフレでも、そのうち好きな人の元に
行ってしまう人でも、その短い間だけでも傍においてくれ
れば、それだけでいい。
好きだから。
1日でも、1時間でも、1分でも一緒に居たい。
彼が、もういらない、と言うその時まで。
僕は喜んでセフレになるよ。
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