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近くて遠い 友side
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「那智!」
「友さん、こんばんは。」
俺はバーで那智と会っていた。
「まだ大学始まらないのか?」
「はい。春休みも結構長いんですよね。」
さりげなく会話に入れればいいか。
「ふーん。あ、あの〜、弟もさ、大学生?」
知らないフリした方が、気づかれにくいだろうから、
「大和ですか?いえ、あいつは高校生です。4月から2年ですね。あ、そういやこないだ失礼なこと言ってすみませんでした。」
「え?いや、全然いいよ。アイツ・・大和さぁ、どういう奴なの?」
ガツガツいきすぎかな。
まあでも那智はアホだから気付かないだろ。
「ん〜、無表情なことが多いんですけど、結構色々考えて行動してるんですよ。俺と同じで疑問は口にするタイプですけど、ちょっと遠慮する所もありますね。」
「ふ〜ん。」
そうなのか。
今度連れてくるとか言うから、さすがに焦った。
「アイツ、か、彼女とかいんの?」
「ん〜?どうだろう。過去に居たことはありますけど・・」
そうなのか。そりゃ居るよな、可愛い顔だし。
「まぁ、今はどうか分かんないですけど、・・・大和、
誤解されることが多いっていうか。アイツ愛想もないし、
あんまり喋らないから、『楽しくない』とか『何考えてるか分からない』っていうのを、友達や彼女に言われ続けたみたいです。それで一時期不登校にもなったことがあって・・・。なかなか、アイツの良さを分かってくれる人って居ないみたいです。」
那智が切ない顔をする。
那智とは最近知り合ったが、こんな哀しそうな顔をするの
は初めてだ。仲良い兄弟なんだな。
俺がセフレだなんて知ったら、殺されそうだ。
「そっか。」
なんだか本人が居ない所でそれ以上聞くのは憚られて、黙って酒を呑んだ。
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