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近くて遠い
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結局、正直身体の状態も気になるので、泊まらせてもらうことにした。
でも、僕はリビングのソファで寝る準備をする。
これは、セフレのルールとして破れない。
本当は、このソファでも嫌だ。
誰かとイチャイチャしたんだろうから。
だからソファでも眠ることはできないけど、
横になるくらいなら、我慢できる。
僕たちは同じ家に存在するのに、ひどく遠い。
こんなに近くにいるのに、とても遠く感じる。
まぁ、とりあえずは頑張ろう、と意気込み、
病院で処方された白鷺さんの薬の準備をする。
白鷺さんはベッドに座っていて、僕はベッドサイドに
立ってお盆に載せてた薬を渡すと、こちらを見ながら
ぱか
と口を開ける。
何をしているんだ。
僕には口を開けてる様に見えるけど、
実は何かに驚いているのか?
僕の背後に何かいるとかで。
・・霊的な?
恐る恐る振り返ってみる。
・・・何もいない。
?
前を向くと、まだ口を開けてる。
早く受け取ってくれよ。
なんなんだ、一体。
「口腔内が乾燥しますよ。」
「薬!入れてくれよ!」
え?
「錠剤ですけど。それに、利き手は右手ですよね。」
「うん。」
「怪我したの左手ですよね。」
「うん。」
「右手で薬摘めますよね。」
「できない。」
「どうしてですか。」
「できない」
「できます。」
「できない。ああっ、傷が疼く〜」
嘘くさい!
流石の僕にも分かる程だ!
でも、さっさと飲んで寝てもらった方が良さそうだから、
仕方ないか。
「分かりました。」
薬を摘まむ。
「手前だと飲みにくいから、舌の根元に置いてくれよな。」
すごい注文の多さだな。
たかが錠剤に。
「はい。」
早く済まそう。
言われた通り、舌の根元に指を近づける。
届くギリギリで、
「薬、落としますよ。」
と、言うと、
「えっ!・・んっ!」
薬ごと、指を咥えこまれた。
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