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ご奉仕
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バレてしまった。
僕が料理できないこと。
仕方ないよな。
毎日母さんが作ってくれるんだから。
でも、それは言い訳にもならない。
ちゃんとした惣菜を買って来た方が良かったのかな、
と思っていたら、一緒に作ろう、と提案された。
お手伝いに来てるのに、そんなのいいのかな?
ダメなような気がする・・・
でも、白鷺さんは僕が受け入れやすいような理由を
言ってくれる。
大人だな、と思う。
こういう優しいところが、ホント好きだ・・・
とりあえず今日は僕の作ったご飯を食べてもらい、
「明日からどうすればいいですか?」
「ん〜、一緒にスーパー行こうぜ。」
「えっ。」
それはダメでしょ
僕たちはセフレなのに!
一緒にスーパーで買い物するのは恋人同士のはずだ。
こないだクラスの女子がそんなことを言ってた。
「材料を言ってくれれば、買っていきます。」
「いや、食材見てメニュー考えるから。
わざわざ高い物買うなんて嫌だろ。」
な、なんてことだ。
すごいな。
主婦じゃないか。
「あ、じゃあスーパーに着いたら値段を送ります。」
これ、名案なり。
「ぶふっ!怪しすぎるだろ、そんな客!一緒に行ったらいいじゃん、な?」
あっさり否定された。
ど、どうしよう。
このままじゃ、セフレの定義から外れることに・・!
「で、でも、怪我してるのに歩くのは良くないです。」
「・・・俺と一緒に出歩くの、嫌なのか?」
返事の代わりに、身体がビクッと反応した。
ダメだ、こんな反応したら、誤解される。
ちゃんと答えないと。
でも、なんて言えばいいんだ。
僕はーー、
「・・そっか。分かった。まぁ、俺たちセフレだもんな。
適当にLINEするから、食材頼むな。
俺、風呂入るわ。
・・・今日から風呂の手伝いはいいから。」
いやだ。
そんなの、嫌だ。
「・・・はい。」
でも、セフレの僕に拒否権なんて無い。
ザーッ
シャワーの音がする。
1人で入ってるんだな。
昨日までは、僕が背中を洗ったりしていたのに。
明日からは別の誰かに洗ってもらうのかもしれない。
そんなの仕方ない。
セフレの立場なんだから。
諒太さんとやらが洗ってくれるんだろう。
目の前の食器がぼや〜っと歪んできた。
ダメだ。
こんな所で何泣いてるんだ。
涙が溢れる瞬間、僕は思い切りゴシゴシを目を擦った。
それでもまた視界が歪むので、
また、ゴシゴシと強く擦る。
何度かそれをしていると、なんとか止まった。
鼻水もズルズルしてたので、ティッシュでかんだ。
落ち着け、落ち着け。
セフレだなんて、最初から分かってたことじゃないか。
僕は傷ついたりはしない。
この形で傍に居られるだけで幸せなんだから。
そして、僕は立ち上がった。
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