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悪夢
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僕が目を覚ましたら、そこには家族がいた。
皆、泣いていた。
後から聞いたところによると、兄ちゃんが僕を見つけて、
助けてくれたそうだ。
だから僕は擦り傷だけで済んでいる。
僕の身体の痣と荷物で、僕がイジメられていたことを家族は理解したようだ。
皆、泣いてるけど、僕は別に悲しくない。
むしろこんなおおごとにして申し訳ないくらいだ。
「みんな、ごめんなさい。父さんも仕事あるのにごめんなさい。4月からはちゃんとするから。」
俯きながらそう言った。
「学校行きたいのか?」
父さんが聞いてくる。
行きたい訳ないじゃないか。
でも、行かないとダメじゃないか。
俯いたまま固まってると、
「行きたいわけ、ないじゃないかーっ!!」
大声で叫んでくれたのは、兄ちゃんだった。
驚いて兄ちゃんを見る。
「父さん、この状況でよくそんなこと言えるな!」
「いや、父さんだって分かってる。でも
「でももへちまもないっ!大和は学校行かない!
行くときは、転校する時だっ!!」
兄ちゃんは、俺の身体を両親から守るように抱き、
そう叫んだ。
「そうよっ!転校よっ!」
母さんが、それに続く。
「え、でも・・」
さすがに転校までするのはどうなのかな。
僕が我慢すればいいことだし。
「そうだな。引越しだ。よし、今度の学校は良い所見つけてやるからな。」
そう言って父さんが僕の頭を撫でた。
その手が、暖かくて、優しくて、皆んなの気持ちが、
嬉しくて、
「うっ、ううっ!うわあぁ〜!」
僕は一生分の涙を流した。
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