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誤飲 友side
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今日は午前中、出張訓練だった。
お宅訪問みたいなもんだな。
あそこの飼い主絶対言ったことやってねぇよな。
犬が全然覚えてねーじゃん。
賢い犬なのに勿体ないな。
あー、喉乾いた。
コンビニ寄ろ。
コンビニの駐車場に停めた瞬間、スマホが鳴った。
「チッ、んだよ・・・えっ!」
会社からだと思いスマホを見ると、液晶には大和の名前が。
珍しいな。
嬉しいし。
浮かれた気分が漏れないように電話にでた。
「はい。」
「し、白鷺さんっっっ!!!竜巻が、竜巻が死んじゃう!
助けてっ!!ぼ、僕、どうしたらっ、僕っ、僕っ、
「お、おい、落ち着けよ、大和、竜巻がどうしたんだ?」
「分からない!分からないんです!僕、洗濯機セットしてる間にキッチンで倒れてて、なんか喉からヒューヒュー音が聞こえてて、今日は母さんも兄ちゃんも居なくて、僕、僕、1人で
「よし、分かった。すぐ行くから待ってろ。一旦切るぞ。またかけるからな。」
そう言って、すぐに車を発車させる。
まず会社に連絡。
社長が出た。
社長が3コール以内に出るって、どんな会社だよ。
「白鷺です。今日午後休みもらいます。」
「は?今日は午後から1件ー
「すみません。社長お願いします。次出勤した時、めっちゃ働きますから!」
そう言って電話を切る。
あ〜、休み返上だな。
次に、動物救急に電話をした。
「はい、動物救急です。」
ラッキーだ。
「宝かっ!」
「はい?どちら様ですか?こちら動物救急ですが。」
「俺だよ、白鷺友だ!」
「友、私用の電話はダメだよ。メッ!」
「キモい、やめろ。あと、雌の豆柴が一頭行くから。」
「何?状態は?」
「まだ見てないけど、たぶん誤飲ぽい。」
「ふーん。分かった。年齢は?」
少しやり取りをして電話を切った。
今のは直江宝。動物救急の看護士だ。
さっきの電話から約5分。
大和に電話する。
「グスッ、はいっ!大和ですっ。」
めっちゃ泣いてんじゃねーか。
「もう着くぞ。すぐに病院連れてくから、玄関まで来といて。なるべく竜巻が動かないように、ゆっくりな。」
「はいっ!!」
じきに大和の家の前までやってきた。
門扉の外で竜巻を抱っこしている大和がいる。
目の前まで止まってやる。
「オマエ、後部座席に竜巻と一緒に座れ!
あんま動かすなよ!」
「は、はいっ。」
大和は慌てて後部座席に座った。
俺も運転席に戻り、すぐに発車する。
「状態は変わりないか?」
「はい。い、息はしてるんですけど、なんか、ヒューヒュー音が・・」
信号待ちの時に、後部座席の竜巻を見る。
うん。やっぱ何かが喉につっかえてるっぽいな。
大和の膝をポンポンと叩く。
「大丈夫、大丈夫だ大和。俺がなんとかしてやるからな。」
触れた膝は震えていた。
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