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料理は白鷺さんが適当に注文してくれたので、
出されたものをモグモグと食べる。
確かに美味しい。
好きな人と一緒に食べる食事って、こんなに美味しいものだったんだな。
料理がひと通り落ち着くと、
「大和」
白鷺さんが神妙な面持ちで話しかけてくる。
「はい?」
なんだろう?
「俺たち、セフレ解消しよう。」
え?
何?
なんて・・・?
眼前が真っ黒だ。
今まで前にいた白鷺さんが見えない。
シルエットが黒く塗りつぶされている。
「大和?」
あ、返事・・・
「はい、分かりました。」
僕は機械のように答えた。
絶対に顔に出ないように。
今までの人生で一番感情を殺した。
探るように見ていた白鷺さんが、あからさまにホッとした表情をした。
・・・そうか、今日が縁切りの日なんだな。
今から家に帰るまで、僕は機械だ。
機械になったんだ。
「色々と、お世話になりました。」
落ち着いて話せ。
「いや、なんだよそれ。今生の別れみたいに。」
僕にとっては今生の別れだ。
「今日はこのまま帰りますね。」
嫌だ、離れたくない。
「・・そうか、そうだな。」
一緒に居るって言って。
「僕、うどんしか作れないし、あはは。」
行かないで、捨てないで、
「ハハッ!まぁ、練習してりゃ上手になるよ。家に居る時に、お母さんに教えてもらえるじゃん。」
僕を独りにしないで、
「・・そうですね・・」
母さんに聞けってことか。
あなたはもう関わってくれないんですね。
あなたは、僕との接点を全て消去するんですね・・・。
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