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恐怖 友side
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今日もまた、出張訓練だった。
あそこの家、前田さんち。
なんでちゃんと俺の指導通りにやらないかなぁ!
また、犬がアホになってんじゃん!
賢い子なのに!
あ〜、イライラする。
今日はこのあと3件出張訓練があるから、仕方なく
昼食をカフェで摂るため、車を駐車場へと入れる。
エンジンを切って、車から降りようとした時にスマホの
バイブが鳴った。
着信は大和だ。あれ?今って学校だよな?珍しい。
「もしもし?」
電話に出ると、
『友さん・・・!僕・・僕・・助けて・・・』
今にも消えてしまいそうな声が聞こえてきて、
俺はギョッとした。
「大和!?おい、どうした!!しっかりしろ!今、学校か!?早退して、うちに来い!!な!な!」
なんでか分からないけど、うちに誘う。
だって直ぐに駆けつけてやれないし。
だからせめて少しでも、踏ん張って欲しい。
そう思った。
「大和、俺の家なら誰もいない。俺は7時には帰る。それまでは一人だけど、俺が戻るまで、頑張れるだろ?」
頼む。
大和、頑張ってくれ。
「俺が、必ず助けてやる。」
「・・・・・・・・は・・い・・・・・待っ・・てま・・す。」
よし!
「鍵、あるだろ?ラインなら、少しはできるから、なんか打てよ。すぐには返信できないかもしれないけど、必ず、返すからな!な!頑張って、早く帰るからな、踏ん張れよ、大和。な?」
しつこいな、俺。
な!な!言い過ぎだろ。
「はい・・・・・・」
「大和、俺は、俺だけは、お前を裏切らない。分かるか?
絶対に傍にいるから。・・愛してるよ、大和。」
ハッ、と息を呑む音が聞こえた後、
「は・・・・・・・い・・・ズビビッ・・」
そして通話が切れた。
泣いてるな。
何があったんだ。
考えようとするが、次の出張訓練の時間が迫っていた。
クソッ!
大和、どうか、どうか堪えてくれ。
潰れるな、負けるなよ、大和。
俺が、お前を必ず助けるから・・!!
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