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戦いの火蓋
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「・・だ・・・おい、真田!」
穴山くんの声に、ハッと我にかえる。
「・・あ・・ご、ごめん・・・えっと・・」
穴山くんはじっと僕を見て、何か考えるような顔をしてから、
「追い返すか。しんどい、つって。」
「え?で、でも・・・」
穴山くんは、パンパン、と僕の肩を叩いた。
「顔色悪いしな。真田もアイツに用事なさそうだし。」
穴山くんは教室の入り口に向かって、本多くんに何かを
言っている。
本多くんは少し表情を曇らせながらも、こちらを一瞥し、
姿を消した。
その後は、本多くんに会うことはなく1日を過ごせた。
疲れた。早く帰りたい。
教室を出て、下駄箱で上履きを履き替える。
グランドを横切って校門へ向かっていると、
「真田。」
急に木の陰から人影が現れた。
しかも、その人は本多くんだった。
「!!」
全身をビクッと震わせて立ち止まる。
「あのさ・・・
「おーい!真田ーー!」
後ろから聞き慣れた声が聞こえてくる。
恐る恐る振り返ると、満面の笑みで手を振りながら、
穴山くんがこちらへ走ってくる。
「ごめん、ごめん!遅くなって!よし、帰ろうぜ!」
まるで待ち合わせをしていたかのようなことを言って。
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