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戦いの火蓋
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「あれ?お前、昼間の奴だよな。誰だっけ、あ、本多だっけ?何、どしたの?」
本多くんは何か言いたそうにしていたが、居心地悪そうに、
「いや、別に・・・」
それだけ言って、僕の方を見ることもなく去っていった。
「よし、じゃあ帰ろうぜ。」
さっさと歩き出す穴山くんを、慌てて追いかける。
「そうだ、真田、コーヒーありがとな。わざわざよかったのに。」
「あ、ううん。ノート助かったよ、ありがとう。」
今日、ノートを写さしてもらったお礼に、自販機で買った
ものだが、コーヒーを渡した。
そんなことは、当然のことだと思う。
お互いに黙って歩く。
黙ってちゃダメだ。
ちゃんと、言わないと。
駅に着いて、ホームに並ぶ。
「あ、穴山くんっ!」
「うわっ!びっくりした!何、何!?」
思ったよりも大きな声が出てしまった。
「ご、ごめん。あの、さっきは・・ありがとうございましたっ!」
顔を上げてみると、穴山くんは怪訝そうな顔をしている。
「え?あ、あぁ・・・」
「あの、本多くんと、僕は・・・」
助けてもらったんだし、理由を話さないとダメだよね。
嫌、だけど・・・。
「・・別に無理に話さなくていいよ。」
「へ?」
素っ頓狂な声が出てしまった。
「だから、そんな眉間に皺寄せてまで無理に話さなくていいって。お礼にだってそんなにバカ丁寧にしなくても。俺たち友達なんだからさ。」
「え?友達なの?」
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