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秋月と三年生で金の斧銀の斧的なパロ
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ATTENTION!
※本編とは全く関係ありません。
※ひたすらにとんでもなく、本当にくだらないです。内容なんてありません。
※「新年早々なんかおかしいけど、作者の頭の中って基本的にお花畑なんだな…元旦という勢いに任せて変なの更新したかったんだな…でもお正月だし許しちゃう!」という方のみ、綿毛のような軽いノリでご覧下さい。
むかーしむかし、あるところに、とても仲の良いカップルがおりました。
彼氏の名前は緒方光介。
彼氏の名前は秋月充。
かなりの頻度で訳の分からない会話をしながらも、二人は幸せな日々を送っておりました。
ある日、二人が森の中の綺麗な泉の側で愛を語り合っていた時の事です。
石につまづいた充が、なんと泉の中に落ちてしまったのです。
「えっ?!秋月っ?!ドジっ子過ぎる!」
光介が充を助ける為に泉に飛び込もうとすると、泉の中央が明るく輝きました。
そしてその光の中から、なんと妖精が現れたのです。
「……え、田沼なにやってんの…?」
「知らね。こういう役回り。で、お前が落とした秋月は、”いつもにこにこ、可愛い笑顔が魅力の明るく元気な子犬タイプの秋月”?それとも、”緒方さん大好き!充以外の人を見ないで!涙うるうるうさぎタイプの秋月”?」
「……なに言ってんだ田沼…」
「台本にこう書いてあんの!さ!選べ!」
「いやそれどころじゃねぇし!秋月助けないと!」
「秋月はスポーツ万能だから大丈夫だ」
「でも沈んじゃったんだけど?!」
「ここで秋月が登場した瞬間この話終わっちゃうから。秋月溺れ損だから。いいから選べ」
「やっぱ溺れてんじゃん!」
「秋月が溺れてんのは泉じゃなくてお前だろ?」
「……………そっ、そんな事言われたって嬉しくないんだからな!」
「典型的なツンデレ発言やめろ…何キャラだよ誰得だよニヤつき過ぎだよ嬉しいのバレバレだよ…ほらとにかく選べ!」
光介はド天然です。
充が泉に落ちた事をあっという間に忘れ、言われた通り子犬タイプの充を思い浮かべてみました。
「緒方さん!おはようございます!」
「おはよう秋月。今日も朝から元気だな」
「はいっ!後で一緒にお散歩に行きましょう!天気がよくて気持ちいいですよ!」
朝日よりも眩しい充の笑顔。
光介の胸はキュンキュンと高鳴り、いつまでもこの笑顔を見ていたい、なんて思いました。
次に光介は、うさぎタイプの充を思い浮かべてみました。
「緒方さん…なに見てるんですか…」
「ん?今のやつのランニングのフォーム、キレーだったなと思ってさ!」
「……そんなのやだ」
「え?なにが?」
「充以外の人を見ないでくださいっ…!」
目に涙を浮かべながらしがみついてきた充に、光介はもう死んでもいいと思いました。
「どっちの秋月もたまんねぇな…」
「だろ?どっちにする?寒いから早く決めてくれ」
泉の中から現れた妖精は、ブルブルと震えています。
「よし!決めた!」
光介は意を決して叫びました。
「うさぎタイプで!!」
「そこは泉に落ちたいつもの秋月って言えよ!」
「えっ?それも選択肢にあるの?」
光介はあまり空気が読めません。
「あーあ…もう本編のラブラブ具合台無し…お前の秋月への気持ちはその程度だった訳ね…はいはい、じゃあうさぎタイプの秋月をどうぞ」
「待て田沼!いつもの秋月を返してくれるなら返してくれ!」
「うさぎタイプがいいんだろ?」
「そりゃうさぎタイプ可愛いけど…」
光介はとても素直な性格です。
「じゃあお試しで三分間うさぎタイプと過ごしてみろ。新春お正月スペシャルの特別サービスだ」
「えっ…?」
「はーい、うさぎタイプの秋月くんどうぞー!」
妖精が呪文を唱えると、なんとも可愛らしいうさぎの耳の生えた充が現れました。
「あ…秋月…?」
「緒方さん…抱っこしてください…」
「抱っこ?!」
いつもの充は、こんなに素直に甘えたりしません。
「充は緒方さんがいないと生きて行けないんです…」
うるうるとした瞳で手を伸ばされ、光介は思わずうさぎタイプの充を抱き上げました。
目が合うとうさぎタイプの充は頬を赤らめて、愛らしく笑いました。
「ずっと充の傍にいてくださいね」
光介のテンションは最高潮です。
「やべー…やべーようさぎタイプ秋月…いつもより三割り増しでいい匂いしてるし、なんかふわふわだし、つーかそんな純粋な目で見るんじゃねぇよ…可愛い可愛い可愛い可愛い…」
光介は思った事が言葉になっているのに気がついていません。
「……緒方さん」
「はいっ?!なんでしょうか?!」
「キスしてください…」
「キス?!」
いつもの充は、滅多にこんな事を言いません。
光介の心臓はバクバクと音を立てています。
白い肌に真っ赤な小さな唇。
目を閉じて顎を上げ、キスを催促するような仕草。
光介はたまらず顔を引き寄せました。
「はーいここまでー!お客さぁん、お試しでチューは金取りますよー!」
泉の中から再び妖精が現れ、うさぎタイプの充は消えてしまいました。
「田沼っ!いいとこだったのに!」
「どうだった?うさぎタイプの秋月は」
「もう最っ高でした…」
光介はとても素直な性格です。
「じゃあうさぎタイプの秋月にしとく?」
「えっ?!」
「可愛いかったろ?いつもの秋月にはない甘さとか笑顔とかさ」
「うん…まぁ…」
「うさぎタイプを選べば、毎日あれが傍にいるんだぞ?甘えて甘えられて、毎日毎日ラブラブラブラブ…外国産の激甘ケーキに砂糖と水飴とシロップかけたより甘い生活が待ってるぞ?」
光介は目をぎゅっと閉じ、大きく息を吸い込みました。
「確かにうさぎタイプも可愛いかったけど、俺はいつもの秋月が好きだ!秋月を返してくれ!」
泉から出てきた妖精は、
「こうならなかったら逆にどうしようかと思ったぜ…」
と、ため息をつきました。
「はい、じゃあ秋月をお返しします。喧嘩しないで仲良くやれよー」
そう言って泉の中に消えました。
「田沼っ!秋月どこ?!」
充の姿が見当たりません。
「おい田沼!秋月は?!ねぇ!田沼!」
泉にどんなに声を掛けても、もう二度と泉が光る事はありませんでした。
「ねぇ山っち、緒方なんで泉に話し掛けてるの?」
「しっ!見るんじゃねぇよ!」
どこからかそんな親子の声が聞こえましたが、光介は気にせず一生懸命に充を探しました。
でもどこにも充の姿がありません。
「俺がうさぎタイプが可愛いなんて言ったから…」
光介は自分を責めました。
息が切れ、足が痛くなっても、光介はひたすら充を探して走りました。
いつの間にか空も暗くなり、星が綺麗に輝いています。
「秋月…」
充は空が大好きな少年でした。
その空を見上げ、光介は叫びました。
「だって田沼が子犬タイプかうさぎタイプかどっちか選べっつったじゃん!!悪いのは田沼の言い方じゃねぇかよ!!」
光介はあまりの悲しさに、逆ギレを始めました。
「どっちかって聞かれたのに、三つ目の答えがあるとか反則じゃね?!てか田沼さっき秋月返すって言わなかった?!言ってたよな?!」
逆ギレは激しさを増します。
「つーかなんでそもそもあそこで秋月は池ポチャしちゃうの?!石につまづくとか可愛い過ぎなんだよ!!」
もう何に対して怒っているのか分かりません。
目を閉じると、充の笑顔が思い浮かびました。
思い出補正された充の可愛らしい笑顔(実際は無表情)に、光介の胸は張り裂けるように痛みました。
「どこ行っちゃったんだよ!お前がいなくちゃ生きてる意味ねぇだろ!!」
「愛だな…泣ける…」
「ちょっと渡辺…俺達木なんだから、静かにしないとダメだよ」
「おお、悪い悪い…てか秋月が落ちたの池じゃなくて泉だよな…池ポチャじゃないよな…?」
「細かくツッコまないであげて…」
どんなに叫んでも、木がザワザワと風に揺れる音しか聞こえません。
「秋月ぃぃぃぃ!」
光介の叫びは、ただただ虚しく響き渡りました。
「………さん」
「……方さん」
「緒方さん!」
「ふぇっ?!」
「大丈夫ですか?」
「えっ?!なにが?!」
「緒方さん急に寝ちゃったから…疲れてるんですかね」
光介は訳が分からず辺りを見回しました。
そこはいつも部活帰りに寄る公園の、背の高い木の下でした。
「……秋月…?新春お正月スペシャル…?」
「……はい?」
「うさぎタイプ…?酉年なのに…?」
「……なに言ってるんですか…夢でも見てたんですか?」
「……夢…」
座り込んだ自分の腕の中にいる充を、光介はぎゅっと強く抱き締めました。
「秋月…よかった…」
温かい充の体温を感じ、光介は溢れてきそうな涙を飲み込みました。
「緒方さん…苦しい…」
慌てて腕の力を緩めると、充はほっと息をつきました。
途端愛おしさが込み上げ、光介は充の唇を奪いました。
もう数え切れない程に唇を重ねているのに、充はなかなかキスが上手くなりません。
普段は器用になんでもこなす充が息苦しくなって、それでも必死に離れまいとする姿を、光介はいつも愛おしく思っています。
そんな愛おしさが伝わるようにと願い、深く深く唇を重ねると、充は頬を紅潮させ、とろんとした顔をします。
その度光介はひとり言を呟き、我を見失いながらも、理性を保とうと必死に自分と戦います。
それはいつもとても辛い戦いとなり、キャパオーバーをした日にはデレ神様との交信まで始めます。
そんな事をしているうちに、今までの蕩けた顔はどこへやら。
充はいつもの無表情に戻ってしまいます。
仔犬タイプのように笑わなくても、うさぎタイプのように甘えてこなくても、今腕の中にある温かさを決して離さないように、光介はまた今日も全力で、充に愛を注ぐのでした。
おしまい
出演
彼氏 緒方光介
彼氏 秋月充
泉の妖精 田沼健太
母親 山梨拓海
子供 井上章一
木その1 渡辺朔夜
木その2 瀬川祐
皆様にとって笑顔溢れる年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
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