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幸せな時間
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━━現在からそれ程遠くない、人間が神様になって、程よい時間が過ぎた昔の話。
田舎町の山の中にある神社で神様と阿唐獅子、烏と狛犬が風情を楽しんでいた。
「私も昔はやんちゃをしていたねぇ…」
『?』
『なんのこっちゃ?』
「いやぁ、ほらあそこで男女の恋人達が居るだろう?」
『人間だ』
『人間やな』
「私も、人間だった頃は…恋もした」
『くぅ…』
『!狛藤が鳴いた!』
『鳴かないと思っていたのか?』
『そうやなくて、珍しいやろ!』
「狛藤は本当に可愛い。あの人の様だ…」
神様は小さな狛犬の狛藤を優しく抱き抱えて身体を愛おしむように撫でる。
『そんなに似てるん?』
「似ている!いつか、獅子舞みたいに大きくなったら嫌だなぁ…」
『何故、狛藤は小さいのだ?これでは、神様を護るときに役に立てないだろう』
「獅子舞はやだねー。狛藤は戦うために居るんじゃないの、癒してもらうための存在なの!」
神様はそう阿唐獅子に告げた。
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