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藤太郎と藤姫の宝物の藤子は母親に似て綺麗で父親に似て明るい、少年になっていた。
「藤子様!今日はとても冷えます、外へ出られるのはお控えください」
侍女がそう藤子に伝える。
しかし、藤子は笑顔を見せて大丈夫だと言った。
「お父様もお母様も寒いからと、雪を見たことが無いんです。だから、私が雪を取ってお父様とお母様に見せるんです」
「それならば私どもが取りに行きます。藤子様にもしもの事があれば私どもがお叱りを受けてしまいます」
「……じゃあ、一緒に行きましょう!」
藤子は侍女の手を引き、屋敷の外へと出た。
「見てください!この白いのが全部雪と言うものですよ!」
「……私どもには藤の花が綺麗だと思えます」
「そうですか?…私は、藤の花の他にも綺麗なものがあると思います。この雪も白くて綺麗です」
藤子が雪に触れると、とても冷たくて驚いた。
「雪は冷たいのですね。とても持って行けそうにないです…」
「盆に乗せるのはどうですか?」
「そうします!」
藤子は侍女から盆を受け取り、雪を掬い取って盆へと移した。
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