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それから、十数年が経た頃。
『……最近、猫来なくなっちゃったね?』
自分の定位置の台座に座るアスマが鳥居の方を見詰める。
ランドウもアスマから鳥居を見詰めた。
『そうですね。奥さんが出来て子供も生まれたと前に言っていましたから忙しいのかも知れませんね』
『忙しくても、ちょっとの時間でも会いに来てくれてたのに!つまんない!』
「アスマ、大丈夫。いつかアスマにまた会いに来てくれるよ」
『神様?』
神様がアスマの頭を優しく撫でる。
「また会いに来てくれた時にそんな顔していたら、猫も悲しい気持ちになってしまうよ?」
『俺どうすればいいの?』
「笑顔で居ること。笑顔はたくさんの人や動物も癒せる力を持っているから、アスマも笑顔で居ればいいよ」
『…わかった!俺、笑顔でいる!』
『お、オレも!笑顔で居ます!』
「ん?ランドウも?」
『そうしたら、神様も癒せますか?』
「…そうだね、癒せるよ」
『でしたら、笑顔で居ます!』
2体は笑顔を神様に見せる。
神様も笑顔を2体に見せた。
──2体が静かに眠ったあと、神様はひとり月を眺めていた。
end
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