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神様だけが知っている
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━━とある神社には、阿像と吽像の獅子狛犬が奉納されていた。
「やはり2体が揃うと、力が漲るね」
よしよしと、神様は吽像の頭を撫でる。
「…でも、キミはどこから来たんだい?」
答えるはずも無い石像に話し掛ける神様。
「うーん。像に意識なんか無いから答えなど返って来ないか…。寂しいな」
「神様ー!」
「!はい!」
神様は呼ばれて振り向くと一人の人間が急いでお参りしに来たのを目に入れた。
「参拝者さんだね。今日はなんの様かな」
「どうか!婚姻がうまくいきますように!」
「ああ。婚姻ね。人間の間では大事なことだ。子孫を残す意味でもうまくいくといいね。でも、ここ縁結びじゃないんだよね…」
「どうか!どうか!」
「……キミが頑張れば結ばれるよ」
「神様お願いします!」
「必死だね」
「頼みましたよ!神様ー!」
参拝者はそう行って帰って行った。
ちなみに、対話していたようで人間には神様は見えていない。
「うまくいかなかったら、あの者になにされるか怖くて仕方ない…」
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