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祈也と誓也
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━━これは、匡灯がまだ阿吽像と出会う前のお話。
匡灯が属する組織に頼まれて、遠くの山に妖退治しに来ていた。
「……」
「ここを通りたいなら通行料がいるよ?」
「そんなもの無い」
「えー?じゃあ通せないなぁ」
「押し通る」
「いやいやいや!人間がこの山に案内も無しに踏み入れると遭難するよ?」
「通行料を持って出直しなよ」
匡灯は、顔の似たふたりの少年に足止めをさせられていた。
そして、匡灯はかなり苛立っていた。
「俺はこの先に居る妖を退治しに来たんだ、退け」
「人間が妖退治だって」
「難儀だね」
「お前達に構っている暇は無い」
「まぁ、待て人間。俺ら腕の立つ祓い屋だよ?手伝ってやろうか?」
「……俺に構うな」
匡灯はふたりを無視し、先に進むことを決めた。
「なぁ、人間。何故ひとりで行こうとする?」
「見たところ強い霊力があるみたいだけれど式神を連れていない」
「単身ひとりで妖を退治するのは無理だと思うなぁ?」
「……」
「だから俺らと力を合わせて」
「お前達になんの利益があるんだ?」
匡灯はついて来る者達に語りかけた。
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