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次の日、昨日の人間がまたやって来た。
目当ては勿論、阿唐獅子だ。
「あぁ、似合うね!うん。私が見込んだだけのことはある!」
『なにこれ?』
阿像は人間が持っているものに興味を示した。
「ここはもしかしなくとも、他の人間は来ないのかな?」
人間は鳥居の方を見詰めた。
『参拝者が来れば神様喜ぶけどなんでか来ないんだ…』
「ん?獅子の元気が無くなったような?」
『……あ、そうか!人型になればお話出来るよね!』
『阿像ダメです!』
『吽像?』
『オレ達が人型の姿になれば人間に見えて話も出来るでしょう。しかし、その人間はとても怪しいです!』
吽像の言葉に、阿像は首を傾げた。
『あやしいってなに?』
『人型の姿の阿像に触れたら、連れていかれそうで怖いんです』
『俺どこに連れてかれるの!?』
『ですから、このままの姿でやり過ごしましょう』
『うん!吽像と離れたくないからそうする!』
『……はい』
吽像は阿像の言葉に照れた様子だった。
それから、しばらくし人間は毎日の様に神社に阿唐獅子に会いに来ていた。
が、
「獅子が…居ない。狛犬の方も居ない…」
人間が訪れた時には神社は朽ち、匡灯が2体を式神として連れて行った後だった。
end
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