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組織の駒
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━━神も仏も、正直な話まったくもって興味が無い。
「匡灯は神様になにをお願いした?僕はね」
「繰威、俺は願いなど無い」
「え?」
幼少の頃から、見たくも無い妖達に付き纏われ、式神にしてほしいと言われてきた。
それは俺が見えて、従えることの出来る一族に生まれたからだ。
しかし、両親は俺よりも力が弱く下級の妖しか式に出来ない。
そんな両親は俺をいつしか、畏怖し俺の元を離れた。
家は残されたので雨風は凌げてるので問題は無かった。
だが。
「匡灯、神様にお願い事が無いの?」
「無い」
「…僕はね、匡灯とずっと居られますようにってお願いしたよ?」
「それは、神に願わなくとも繰威の気持ち次第だと思うが?」
「……えっと、人間はなにがあるかわからないし…」
「なら、俺が死んだら繰威の死者呪詛を俺にすればいい」
「えぇっ!?匡灯に呪詛なんか掛けたくないよ!」
「死者だから、感情など無いし繰威の思い通りだと思うが?」
「匡灯は生きてるから良いの!」
繰威はそう言って、神社を駆け足で立ち去った。
「さっぱりだ…」
「匡灯は、なにも解っていないね」
「…居たのか」
「え?ずっと居たよ?」
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