アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7
-
「あの井戸にはなにがあるんだ?」
『井戸?あぁ、あれは涸れ井戸だよ。元から井戸として使われたモノじゃない』
妖は怯えた様子を見せた。
「なにに使われていたんだ?」
『人間が人間を落とす穴』
「は?」
「え?じゃああの井戸の中には死体が?」
『さぁね。人間の死体とかはどうでもいいけど、夜な夜な化け物が出て来るんだ』
「化け物?」
「それって死体が…」
「繰威の力みたいだね?」
「ひゃう!」
繰威が声を上げるので俺も身体をびくつかせた。
「七、気配を消して来るな」
「いいじゃないか。それよりもあの井戸が依頼の場所だね」
「化け物を退治すれば終わりか?」
「夜までお預けだね~。露天風呂と旅館料理がとれるね」
「……」
「よ、夜になって退治しても夜だから結局泊まることになるよ、ね?」
「七、この旅館は組織と関係があるのか?」
「組織は依頼があればどこへでも馳せ参じるよ?」
七は笑顔を見せる。
それがまた嘘臭い笑顔で俺は、腑に落ちない。
「七」
「退治すれば、終われるんだからいいだろう?」
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
52 / 154