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(……指が……)
春市は、快感の中で考える。
中学時代はヤンキーだったという倉持は、目付きで威嚇する事もあるが、内面は実は繊細である。
それは、春市を愛撫する指遣いにも表れている。
その指先を意識すると、自然とアタマに浮かぶ顔がある。
(降谷くん……!)
青道高校の野球部の1年からの付き合いで、
今も大学で一緒に野球をする仲間……
降谷暁は、右投げの本格派投手で、その長身から繰り出される速球を武器にしている。
いつの頃からか、春市は降谷に想いを寄せているが、叶う事は ない、と諦めている。
降谷は、野球の事しか頭になく、学校生活の面倒などを春市が見てきた。ピッチャーにとって大事な爪のケアも、春市が手伝ってきた。
……そして、降谷の手の美しさ…長い指の繊細な美しさに惹かれた。
(この指で……ボクに触れて欲しい……)
降谷がボールを投げる為に大切にしている、その手で。その指で。
春市は、自分の視線が日増しに熱くなっていくのを感じていた時………
青道高校野球部のOB会があった。
春市達が1年の頃にいた2・3年生と飲んでいる内に、幾つかの輪が出来て、春市は降谷と一緒に、兄の亮介や、当時のキャプテンだった結城哲也や、同じく副キャプテンだった伊佐敷純らと話していた。
トイレに立ち、戻ろうと思ったら、1人で飲んでいる倉持が、目に入った。
1学年上の倉持とは、当時ショートを守った彼と、セカンドを守った亮介と春市とで兄弟共に二遊間でコンビを組んだ間柄だ。
高校の頃から1人でいる事が多い倉持だったが、
その日は、ボッチ仲間の御幸とも離れ、ぽつん、と座っていた。
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