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「…何か?」
鈴の兄に冷たく言われる。
黙って、鈴の肩に膝掛けを掛ける。
…ピクッと鈴が振り返る。
「…だ…大丈夫だから…。」
かすかに怯え混じりの表情…。
もう一度、ため息吐いて、その家を後にする。
ドアを出てくる寸前で…聞こえて来た…。
「後2人予約入ってるんだぞ。」
「…大丈夫…。ちゃんとやれるから…。
…ほら、きれいになったでしょう…?兄さん。兄さん…怒らないで。」
機嫌を取るように言う鈴の声…。
なんでだ…?
なんで、兄にそこまで気を遣う…?
あ…鍵…。
…何をしているんだろう、俺は。
結局、目当ての鍵、返してもらってないし。怪我の治療してきただけ…。
なんてこった…。
単なる出張治療じゃないか。
はああぁぁ…。
― 決めた。
もう あいつに関わらない。
俺の調子を崩すのは、高梨だけで十分だ。
もう、治療はしない。
合鍵は落とした事にする。
あいつは あいつの兄と勝手に生きていけばいい。
俺は高梨みたいにお節介でもないし、村上みたいに、なんとかしてやろうと云う気持ちもない。
今までがおかしかったんだ。
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