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さん
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ピリリリリ────
枕元に置いてあった携帯から着信を知らすけたたましい音が響く。
康介からだ!
すがる思いで携帯に手を伸ばし、画面も見ずに緑色の受話器マークの方に指を滑らした。
「助けてくれ!」
「ぅえ?晴樹どうしたの?!」
康介こと東 康介は俺の幼稚園からの幼馴染みである。
ある事がきっかけでアレを見るようになってしまった俺をいつも助けてくれる。
「…今どこっ?」
「うぅ、いえ!家なんだけど…窓のところに何かいる!」
「落ち着け!深呼吸してまず」
言われた通りに深呼吸する。
す────は────。
ゆっくりと肺に空気を貯めていき、またゆっーくりと空気を捨てていく。
……少し落ち着いた。
「…ごめん。
落ち着いたよ、ありがとう」
「よし。じゃあ、今からお前の家に超特急で向かうからな!」
「ん。早く来て」
「ーっ、待ってろ!」
そっと電話を切る。
康介が来てくれる…もう大丈夫だ。
先程までの嵐のように荒れていた心境が一変、穏やかな海原のように静まっている。
康介のお陰で落ち着きを取り戻し、不快な音がしなくなった事に気づき窓の方を振り向く。
女の姿はそこにはどこにもいなかった。
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