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よん
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女がいないことに酷く安堵する。
あのまま居座られたら確実に家から出れない引きこもり人になる所だった。
カタン……
「ん?」
ドアの方から音がしたような気がした。
康介がもう来たのか……それとも。
ゴクリと無意識のうちに唾を嚥下する。
静まり返った部屋にその音が妙に響く。
布団から恐る恐る出て、ドアの方……玄関に向かう。
「さむっ」
真夏のはずなのにそこだけ異様に寒い。
目の前にある玄関は一般的などこにでもあるようなドアにドアスコープとポストがついており。
下を向くと昨日帰ってきた時に乱雑に脱いだ自分の履き古したスニーカーがある。
まずはドアスコープで誰かいるか確認しよう…。
そう思い、ドアスコープに近づく……だが近づくにつれ不安が募る。
もし、もしもあの女のだったら?
「ふぅー……や、やっぱりやめよう。」
誰かに言い訳するようにボソリと呟き、後ろに下がる。
「カタンカタン」
また音がした。
どうやら、音の発生源はドアポストからしているようだ。
何だろうか……。
好奇心に負けた俺は、
締まっているポストカバーの鍵をあけた。
ガタン!
行き良いよく開くポストカバー。
「ひっ……」
そこには受け取り口から伸びる10本の指があった。
何かを掴もうと蠢いている手の指たち。
「もうやめてくれよ!」
また恐怖がぶり返してしまい急いで布団に戻る。
勢いよく、布団を頭から被る。
はやくはやくはやくはやく!
康平はやく来てくれ!!
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