アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
その人を見て 俺は言葉が出なくて目が離せなかった
中性な顔付きと身体で 耳には数えられない程のピアス 下唇の左右と真ん中 、両頬 、目の下 眉毛 、不思議と痛々しいとは思わなくて 触れてみたいと思った 。
その人は少し大きめの長袖の黒いパーカーを羽織っていて 俺に目をやると無表情でジッと見つめ 理久の方に歩み寄りながら 予想より ずっと 低い声で 理久に話しかけた
「 ‥‥‥あ 、理久 、来てたんだ
その子が言ってた友達 ?
良いの ? 男と付き合ってるのバレても 」
「 あ!蓮さん !
さっきLINEしたのに 、見てないの?
あー、うん 悠人にだけは ちゃんと話そうと思って 」
「 ごめん見てなかった 。
‥そう 、まあ僕は‥ なんでも良いけど 」
彼は本当に興味がなさそうに ふっ と微笑んだ
少し沈黙が続いた後
いつも ニコニコしてる 理久か 少しだけ気まずそうに俺を見つめ そっと口を開いた
「 ‥‥‥悠人 、俺今 蓮さんと 付き合ってるんだ。見て分かると思うけど 男 、俺 男好きになったの初めてで その 悠人に 気持ち悪いとか思われて距離置かれるの怖くて 半年前から付き合ってたんだけど 言い出せなかったんだ 、
‥‥ごめん 」
理久は不安なのか 俺の手を握り 僅かに震えている
その様子を 蓮さんは無表情で見てる
「 あー 、そうなのか
別に良いと思う、 気にしない
理久は理久だ 、だからそんな捨てられた子犬みたいな顔すんなよ 、俺がお前から離れられるわけねえだろバーカ 」
本心を告げると 安心したように 理久が 抱き着いて来たから いつも通り俺は背中に手を回し 片手で髪を撫でてやった
ふと 蓮さんに目をやると 彼は面白い玩具を見つけたように微笑んでいて 俺は理久の髪を撫でる手を止めた
「 コラ 、理久 抱き着く相手間違ってるだろ
‥‥蓮さん 、初めまして 理久の友達の悠人です 」
何となく気まずくて理久の身体を少し離し
必要以上に人とは関わりたく無いけど 理久の恋人だから一応 挨拶する
「 ‥ うん 、宜しくね 」
そう言って 蓮さんは俺に右手を差し出し握手を求める
俺は何も考えずその手を取り握手をした
離すときに手首の近くにチクっとした痛みを感じ 少し驚き相手を見つめた
「 ごめんね ‥ 爪 当たっちゃったかな ? 」
彼は 少しだけ赤くなった俺の手首撫でながら言った
俺は「 別に大丈夫です 」と素っ気なく答え
撫でられる手から逃れようと手を引いた
何故だか分からないけど 、俺はこの人とは関わってはいけないと 頭の中で警報がなった気がした
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 262