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1学期・入学式 出会い
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「ふぁ〜あ」
大きなあくびが思わず口から出る。
季節は春、今日は俺が勤めてる学校の入学式だ。
「可愛い子いねぇかな…」
可愛い子って言ったって別に女の子を探してるわけじゃない。そもそもここは男子校だ。
じゃあ野郎ばかりの学校でなぜ可愛い子を探してるかって?
俺はゲイだ。
なにも俺だって好きで目覚めたわけじゃない。
俺がこの高校に勤めて1年もならないくらいの頃に俺よりも5年長く教師をしている男に抱かれそして目覚めた。
その時はネコだったが今はタチが専門。
「お、あいつ可愛いなぁ、綺麗な顔立ちしてやがる、ハーフか?」
別に生徒とそういう関係になりたい訳じゃない。
ただちょっと夜のオカズになってもらうだけさ。
最低な男だろ?
「すみません」
「ん?」
いやらしいこと考えてただけあっていきなり話しかけられるとちょっとビビるよな。
「トイレ、行きたいんですけど」
「あぁ、トイレね。体育館入ってすぐ右に曲がるとある。誰かに案内させるか?」
なかなかこいつも綺麗な顔立ちしてんなぁ、それに無駄な整髪料を一切つけてなさそうな綺麗な黒髪。
まぁ、タイプではあるかな。
「いえ、周りにいる人たち忙しそうなんであなたが案内してください」
おお、言うねぇ。
「しゃあねぇな、おら案内するからついて来い。すまないが俺にも校門に立っているという任務があるもんで早めに歩かせてもらう」
「そうなんですか、すみません。あなたが1番暇そうに見えたので」
こいつ、言うなぁ。
「そういやお前さん保護者はどうした?」
今日は入学式だ、保護者にとってはいいイベントのはずだ。
「来ていませんよ、いつも仕事で休む暇がないんですよ、多分」
「…そうか、すまないな」
「いえ」
ちょっと悪いことしたな
「ここがトイレ、ちょっと並んでるが男子トイレだから並んどきゃすぐお前さんの番になると思う」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあな」
名前聞いとくべきだったかな?
いや、顔は好みだがどうもあたりが強い。それはちょっとなぁ。
気づけばあと10分程で式が始まる。暇なんだよなぁ。
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「次に先生方の紹介です。先生方、前へどうぞ。」
次々と先生方が簡単な挨拶をしていく。
あいつは天然なんだよなぁ、あぁ、あいつか、あいつは乳だけのやつだよ。
など、勝手に俺の中で評価をつけていく。やっと俺の番だ。
「2年5組を担当します、桜井潤一郎です。教科は社会を担当しています。これからよろしくお願いします。」
残念ながら今年度は2年を担当することになった。
2年は生意気なんだよねぇ。
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長ったらしい式も終わり生徒は自分の教室に戻っていった。俺も行くか。
「よう」
教室は予想通りうるさい。
「お、じゅんちゃんじゃん!おひさ!」
「おう、お前朝からうるせーな」
「え〜、じゅんちゃん朝からひどすぎ〜笑」
昨年度は1年生のクラスを担当していただけあって2年には顔が知れ渡っている。
「おし、てめーらとっとと配布物配って帰んぞ」
「はーい」
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短いホームルームも終わり今日は3時間ほどで学校は終わった。だが先生方には事務という少しめんどくさい仕事がある。
「あー、こいつまた俺のクラスかよ」
柳沢 京助、こいつは1年の終わりの頃俺に好きだと告白してきた。もちろん断ったけどな。
少しめんどくさいなぁ。
その後も名簿を見渡し誰が俺のクラスにいるのか確認する。入学式の前にも誰がいるのか名簿が配布されるがはっきりいって興味がないからあまり良く見ていない。
その後もロッカーに貼るための名前シールを作ったりなど順調に仕事を進めていた。
「おし、帰るか」
今日のノルマは達成した。
放課後の廊下は合唱部の声だったり友達同士の話し声で騒がしい。早く帰れって言ってんだけどなぁ。
「あ、朝の!すみません、えっと」
「桜井だ」
誰かと思えば朝の美少年さんじゃありませんか。
「なんか用か?」
「いえ、見かけただけなので…」
安心しろそういうことだろうと思ったよ。
「お前、帰んねぇのか?」
「あ、今日鍵忘れちゃって、えっと、僕、柳沢 真助です、これからよろしくお願いします」
柳沢?あいつと同じ苗字か…。
「桜井先生は2年5組ですよね?僕の兄がお世話になります」
は?
「おい。もしかしてお前の兄貴は柳沢 京助か?」
「はい、そうですよ?」
最悪だ。できれはコイツとはもうよろしくしたくねぇな。
このいやにニコニコした笑顔が腹に来る。
「じゃあ俺、もう帰るから」
明日からどうなることやら…。
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