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1学期 ・ その1
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夢をみた。
「先生、僕先生のこと好きなんです。」
終業式の前日の放課後、柳沢 京助の告白。
成績優秀で現代社会はいつも90点代だとか100点だとか高得点だ。
顔はかわいい系、好みではある。
「すまん、無理だ」
こういうのはバッサリ断ったほうがいい。
面倒ごとは勘弁だ。
「なんでですか、ねぇ、先生なんで…」
柳沢は崩れ落ちながら泣いていた。
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まったく朝から気分が悪い。
なぜあんな夢をみなきゃならんのだ。
「じゅんちゃんおはよ!」
「…おう、おはようさん」
俺をじゅんちゃんなんて呼ぶやつは1人しかいない。
「じゅんちゃん今日も朝から目つき悪ぃなぁ」
「うるせぇ」
とかいいつつ頭を叩く。
佐藤 慎吾、こいつも2年5組の1人だ。
俺は目つきが悪い、話し方もご覧の通りだ。
だから生徒達はみんな俺には敬語で桜井先生、だなんて読んだりする。
だがこいつはタメ語でじゅんちゃん呼び。
理由は知らんが嫌ではない。
「珍しいな、お前が遅刻じゃないなんて」
「だろ!俺もやばい俺天才かも〜なんて思っちゃってさぁ」
キーンコーンカーンコーン
少しうるさいくらいのチャイムが廊下に響き渡る。
「お前、チャイムまでに着席してないから遅刻な」
「はぁ!?」
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今日は簡単な話と教科書配りで終った。
2年生は世界史か…、少しめんどくさいな。
世界史は現代社会とは違い、時代や人物、出来事など全てが重要になってくる。現代社会より難しいだろう。
まぁ、あいつはまた必死こいて勉強するんだろうな。
今年はさらに1年の1.2.3組だけ現代社会を担当することになっている。本当にめんどくさいな。
今日はもうすることないし帰るか。
俺は一応写真部の副顧問になっているがほとんどの仕事は顧問の山口先生がやってくれてるし部長もしっかりしている。俺みたいな不真面目は必要ない。
職員室を出て職員玄関を出ようとする。
「すみません!ちょっと待ってください桜井先生!」
なんだなんだ、早く帰らせてくれよ。
「どうも、昨日ぶりです」
こいつは…
「よう、柳沢」
昨日の弟くんが俺になんのようだ?
「すみません、先生に聞きたいことあって…、その、先生って何か部活の顧問とかやってたりします?」
「あぁ、一応写真部の副顧問だけど…、それがどうした?」
「いえ、気になっただけです。ありがとうございます、さよなら」
なんなんだあいつ?意味がわからん。なぜ俺話しかけてくる?あの気持ち悪いニコニコした笑顔にまたムカついてくる。
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次の日の放課後、俺は山口先生に部活に来るように言われ
部室に向かった。
部室は中庭にある旧校舎の2階。旧校舎には幽霊がでるとか深夜に男のうなり声がするとかそういった噂が多いが今まで気にしたことがない。
ガラッ
「あぁ、桜井先生」
「どうも」
山口 望(のぞむ)、俺と唯一の同期だ。
「今日は新しく新入部員も入ったことですしそれぞれ自己紹介でもしようかと」
俺の学校は部活見学もちゃんとあるが本人が希望すればすぐ入部することができる。
「あぁ、そういうことですか」
「そういうことです、じゃあまず部長から」
「はい、部長の金子 俊介です。よろしくお願いします。」
金子俊介、こいつは綺麗な茶髪をしている。一回だけそれは染めたのか、と聞いたことがあるがこれは自毛なのだそうだ。
その後も副部長、部員とどんどん自己紹介をしていく。
「じゃあ次は1年かな?」
いつの間にかもう2.3年の自己紹介は終わっていたらしい。まぁ覚える気は無いのでどうでもいい。
そう考えてるうちに1年の自己紹介は進んでいく、早く終わらないかな。
「じゃあ、次」
「はい、1年3組の柳沢 真助です。よろしくお願いします」
…はぁ?
なんでこいつがいる?思わず柳沢の顔を直視していると目が合ってしまった。
相変わらず気味の悪いニコニコした笑顔で俺を見つめた。
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