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1学期 ・ その5 再会
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「次は現代社会だよな」
休み時間になりクラスメイトにそう聞かれる。
「あ〜、多分そうかもね」
曖昧の返事をするが多分などではなく次は確実に現代社会だ。何故かはわからないがいつ現代社会があるのかは把握している。
部室であった出来事から数日経っているがあの日から桜井先生とは一度も会っていない。
きっと避けられているのだろう。
「はぁ…」
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ここまで授業に行きたくないと思ったのは初めてかもしれない。
あの部室での出来事…
「はぁ…」
思わずため息がでる。
「悩み事ですか?」
「あぁ、山口先生。違いますよ、少し疲れたなぁって」
「そうですか、私も最近肩が凝ってきて…、これも歳ですかねぇ」
「はは、俺たちはまだ一応30代なんですけどね」
「そういえば入院している山中先生の代わりに新しい講師が来るそうですよ」
「はぁ、そうなんですか」
山中は確か化学や生物が担当だったな…、あんまりぱっとしない雰囲気で3年生によく弄られていた。そのせいなのかつい1週間前に入院してしまった。
「頼りになる先生だったらいいんですけどねぇ…、そういえば次授業でしたよね?あともう少しでチャイムなっちゃいますよ?」
「あぁ、もうそんな時間ですか」
「それじゃあ、頑張ってきてください!」
ニコニコとした表情の山口先生に見送られながら職員室を出た。
(…はぁ)
さっさと始めてさっさと終わらせよう。
あいつとは目を合わせないように。
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「起立、ありがとございました」
「ありがとうございました〜」
何事もなく授業が終わった。
俺はそそくさと教室を後にした。
計画通りあいつとは目を1回も合わせずに授業を終わらせることができた。あいつはこの前のことを気にしてるようだったが…。
ドンッ
大きな衝撃が身体に走る。
誰かとぶつかったようだ。
「いってぇ…」
ぶつかった衝撃で思わず転んでしまったようだ。
「すまない、ちゃんと前を見てなくてね。怪我ないかい?」
手が差し伸べられる。
「すみません、俺も考え事して…てってあんたは!」
この顔は見覚えがある。いや、一生忘れることができない。そして聞き覚えのある声。なぜ気づかなかった?何度もこの声に優しく囁かれたじゃないか。
「君は…、桜井君」
「あんたは、中嶋さん」
忘れることのない、忘れることのできない彼とまた俺は再会した。
これから俺はどうなる…?
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