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ひとりごと1
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二人だけで実況を録るのは久しぶりだった。次の日が休日だった事もあってテンションが上がって、はしゃぎすぎて。実況を録り終わった後もゲームし続けていたら、気がついたらとっくの前に日付が跨いでいた。
「…うわー! すっげぇ時間経ってたわ。俺こんなに夜更かししたの久しぶりかも–––、」
そう言って隣を見やろうとした瞬間、体に…肩に重みが加わった。
「!? …レ、トさん…?」
「……」
恐る恐るキヨが問いかけた数秒後。
すぅ…。
聞こえてきたのは、安らかな寝息と、がしゃんとレトルトの手から滑り落ちたコントローラーの音。
茶色のふわふわとした髪が呼吸に合わせて上下に揺れている。
「…寝落ちかよ…。」
はぁ、と思わずキヨの口から溜息が漏れた。
勝手に驚いて勝手に緊張したのはこっちなのだが、何だかびっくりして損した気分になってしまう。
ちょっと腹立たしくなって目の前にあった鼻を軽く摘んでやった。
「ん、ん…、ぅ”ー、…?」
予想通り寝息が乱れる。
違和感を感じているものの、目が覚める程のものではないらしい。
訳がわからないまま眉根を寄せて小さく唸っているその表情は地味に面白かった。
「…ぷっ、ふふ…」
八つ当たりにも近い腹立しさは既に消え失せ、代わりに湧いたのはちょっと優しくて透明な感情。はじめて抱いた感情に付ける名前を持ち合わせて無くて。けれど悪い気分じゃ無かった。
ややあって解放してやる。がしかし手を離したというのに何故かレトルトの表情はますます険しくなっていった。
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