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回想―悠真―
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彼女の話と言えば、自分の人生で2人の女と付き合った事がある。まあ、少ない方かもしれない。でも、真樹みたいに直ぐに女を乗りかえるとか、俺はそう言うのが好きじゃなかった。そう言うのが楽かもしれない。でも恋愛自体がチープに思えてくる。ただの体だけの関係。 そこに一体、何の意味がある? 最後に付き合っていた彼女とは半年前に別れた。
――その別れた理由が正直くだらなかった。身体の相性とか、そんな安っぽい理由だった。 彼女は、俺の二つ上だったけど、彼女は俺に隠れて浮気していた。本当は、他の理由があったのかも知れない。
例えばその浮気している男と付き合ってるとか。本当はそう言えば楽だろう。なのに彼女は本当のことを言わなかった。浮気しているならハッキリと言えばいいのに、彼女は最後までそれを黙って隠していた。そして、別れ際に最後、俺が傷つくような言葉を言い残して目の前から勝手に去って行った。
それっきり、彼女とは二度と会わなくなった。電話も鳴らなければメールも来ない。彼女とはこうしてあっけなく終わりを迎えた。
あんなに2人で愛し合っていたのに、俺は今まで彼女の幻を見ていたんじゃないかってあの時ばかりは、死にたいって本気で思った。
それから女と付き合うのはそれが最後だった。彼女と別れてから今もずっと一人でいる。女は懲り懲りだってそんな風に思う自分がどこかにいた。
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