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ひび割れた記憶
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その後から少しづつ俺達は距離を置くようになった。仲の悪い兄弟だってよく言われる。だけどそんなのは、一々気にしない。だって本当の事だ。否定はしない。
兄貴が髪が黒いから、俺は金髪に染めた。兄貴が俺の好きな本を読むから、俺は別の本を読んだ。兄貴が勉強している時、俺は真面目に勉強せずに遊んだ。
兄貴が聴いてる音楽も、兄貴が着ている服も、全部かぶらないようにした。そして、俺達は兄弟なのに、兄弟らしくもなんともなかった。お互いに距離をとって口も聞かなかった。だけどある日、兄貴から話しかけてくるようになった。
きっかけは何だったかよく思い出せない。だけど最近は昔見たいに話すようになった。そう考えると、少しはよくなったほうだ。そう言えばこの前、兄貴から誕生日プレゼントでバイクを貰った。通学と通勤用にバイクを使えばいいって言われた。だけどそのバイクは今もまだ乗ってない。
せっかく兄貴が俺の為に買ってくれたのに、こんな事になるくらいなら、早くバイクに乗ってれば良かった。そして、兄貴と一緒に…ーー。
その瞬間、自分の体に違和感を感じて目が覚めた。
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