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「さあ、冷めないうちに早くお食べ。そうそう、キミはブロッコリーが嫌いみたいだったから、スープには入れなかったよ。悠真は好き嫌いがあってダメだな。でも、私はブロッコリーは好きなんだけどね?」
悠真は出された食事に手をつけなかった。むしろ食欲さえも出てこなかった。目の前には、温かいシチューが湯気をたたせていた。
入れたばかりだからまだスープは温かい。極限の精神状態で冷静に周りを見渡すと、どうやってここから脱出するか考えた。部屋は広く寝室サイズだった。そして、何もない部屋には僅かな家具が置いてあった。窓辺には赤いカーテンが垂れ下がっているが、外は見えない状態だった。
仮面の男以外に他に人がいる気配もなく。家は不気味なくらい静かだった。悠真の片手には長い鉄の鎖が嵌められていた。そして、足元の方にも鎖が同じく嵌められていた。絶対に逃がさないようにしてあるところから、用意周到が伺えた。
それに相手は手に凶器を持っている。無駄に騒いだり抵抗したら刺されるのは間違いない。悠真は冷静に周りを見渡しながらもそう考えた。そして、目の前のコイツが一体何者かを心の中で探った。そんな時、仮面の男は突然、怒鳴ると上から頭をテーブルに押し付けてきた。
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