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目が覚めたら……。
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「一つはこの場で私に殺されて、バラバラ死体となって山奥のどこかに埋められるか。もう一つは、生きて私に従順に従うかだ。さあ、好きな方を選べばいい。もし、二番を選択するなら頭の上に置いてある水を飲むんだ。一番を選ぶなら箱を叩いて合図をしてくれ」
奴はそう言って淡々とした口調で話してきた。俺はその選択肢に愕然となると、頭の思考が停止した。
死ぬ……!? 俺が死ぬ……!?
一体、何だって言うんだ!?
俺が死ぬだと…――!?
犯人の衝撃的な一言にその場で思考が停止すると息を呑み込んで小刻みに震えた。予期せぬ出来事で、他人に命の『選択肢』を迫られた時、人は一番に助かりたいと願う。
こんな時になって気づく命の重さ。自分なんて死ねばいいと何度も思ったが、こんな形で自らの命の重さに気づかされるとは思いもしなかった。絶体絶命のピンチを前に、携帯を握りしめながら家族や友人のことを思った――。
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