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─輪─
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「なんだよ、受け取らないのか? これがお前には必要なんだろ?」
「あっ、あの時一緒に遊んだだけだろ……!? なんで金なんか…――!」
「金に困ってるって言って来たのは慶ちゃんの方だろ? 優しいこの俺が大切な友達の為に一肌脱いでやったのに何だその言い草は?」
「っ……!?」
あいつはそう言って来るといきなり俺の足を靴で踏みつけてきた。そして、横から俺の顔を覗き込んできた。
「ねぇ、いるの? いらないの? どっち?」
「くっ……!」
その言葉を皮切りに今度は足を強く踏みつけてきた。俺は踏まれた足の痛みを我慢しながらも、黙って沈黙を貫いた。
「今月中に金を集めないとヤバイんだろ? いいのか、次は無いぞ。それにお前の両親に俺うっかり話しちゃうかも知れないよ?」
その言葉に俺はハッとなった。確かに両親にあの事がバレたら大変なことが起きてしまう。それに今まで両親の前で良い子にしてた自分には致命的だった。あいつのその言葉は躊躇う俺を僅かに突き動かした。そして、気がついたら両手が白い封筒に伸びていた。何故か呼吸も荒くなり全身が小刻みに震えた。何より顔からの冷や汗が止まらなかった。あいつは隣で俺をジッと見てくるとクスッと笑った。
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