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暴力と涙と
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怖くて……ただ、怖くて。
昼間、笑いかけてくる父に
笑い返せないほど、その恐怖は
常に付き纏う。
だけどそれとは裏腹に、
何処かで醒めている自分もいて
きっと気が済んだら終わるだろう、
今日は少しでも少ないと良いなとか、
あの嫌な臭いのする飲み物が
この世から無くなれば俺を殴らなく
なるんだろうかと。
今にして思えば
子供ながらに必死に現実逃避を
図っていたのかもしれない。
いつしか俺は何時も
ビクビクしていて父の顔色を
窺う子供になっていた。
そういう態度が身に付くにつれ
人との接触を持つのが苦手になり
気がつけば友達と呼べる人も誰も
いなくなってしまった。
子供に暴力を振るう父に
何度か祖母が俺を
引き取るとか、違う場所に預けるとか
そんな話になる度、父は俺を抱きしめて
何処にもやらないと泣いていた。
抱きしめて泣いていた父を
見て、俺も泣いていた。
~~~~~~~~~~
最初はとても重い展開ですが
ついて来て貰えると助かります。
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