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発覚
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「原因はアイツか」
母はその夜、兄の部屋で寝る事になって
漸く落ち着いたからと兄が俺の部屋に
初めて入って来た時そう尋ねられた。
俺は前に脱衣所で聞かれたことを
言われたいるのだとすぐに悟り
今度は小さく頷いた。
「何故黙ってた?」
「…………」
「チッ、よく考えれば分かんのにな。
アレがお前らほどの年で付けれる様な
痣じゃないってことくらい」
「…………」
「いつからだ?
俺達が来る前からずっとか?」
「…………」
「もういい」
その吐き捨てる言い方に
俺は身体を強ばらせた。
「ごめ……んなさい」
兄は今度はもう何も言わず、代わりに
溜息を落として出て行ってしまった。
俺は呆れられてる。
何も役立たない上に嘘までつく。
そう思われてるんだと自覚すると
止めどなくまた涙が溢れてきた。
俺があの時、話していたら
母があんな目に合うことも
兄だって殴られずに済んだかも
しれないのに。
グズグズ悩むばかりで勇気を持てない
自分が嫌で仕方がない。
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