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意味が分からない
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それは父が仕事に行った月曜の
朝だった。
兄さんと俺は運動会の翌日の休みと
たまたま兄の開校記念日とが重なり、
何気なく居間でテレビを見ていた。
だからといって俺達の間に
特に会話はなくただそこにいるだけ
って感じだったけど、前は
俺がいると兄は絶対その部屋に
入って来ようとはしなかったから、
単に“傍にいてくれる”って事だけでも
特別なことに思えてとても嬉しかった。
「すぐ準備しなさい、行くわよ」
突然、飛び込んできた母は
部屋に入ってくるなり
兄の手を掴みそのまま
引っ張り出ていこうとする。
「何処へ?」
「夕べ言ったじゃないの」
「母さん、正気か?
コイツを置いていくつもりかよ?」
「…………」
母は俺を一蔑するとすぐに
視線を兄へと戻した。
「だったら俺も残る」
「何いってるの?」
「聞こえたろ?
そんなに出て行きたければ一人で行けよ」
兄さんは母の手を振りほどいた。
「いい加減にしなさい!
子供を置いていけるわけないでしょう!」
初め、二人のやり取りの意味が
理解できなかった。
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