アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ハイハイ、邪魔邪魔。
-
ゴツッ。
後頭部に鈍い痛みを感じて振り向くと
制服を着た兄さんが立っていた。
手には折りたたみ傘。
「邪魔。ドアのトコで突っ立ってるなよ。
しかもブツブツ独り言って……
何かアブねーぞ、お前」
「ご、ゴメンナサイ」
どうやら無意識に此処まで
帰ってきて、家に帰ってのも
気が付いていなかったようだ。
(見られた?……恥ずかしい)
「無理すんな」
え?
もしかして内容まで聞かれていたとか
―――無いよね?
「全然しないですよ、兄さん」
「……あ、そ」
俺を追い越し家に入っていく
後ろ姿を見て、寧ろそれは兄さんの
方だと思った。
中学時代、全国大会に出場し
有名だった兄。
本来なら高校はスカウトされた高校に
特待で行けた筈。
母もそれを望んでいた。
そこには無論経済的な事も
あったろうから。
でも、結局兄はそうしなかった。
理由は―――
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
30 / 234