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料理の上達の秘訣は
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まだ最初の頃、下手でそれこそ
塩と砂糖を間違えて作った時も
兄は黙って残さず食べてくれた。
母が捨てようとしたその分までも。
俺が自分で食べるからと泣くと、
「誰でも最初から出来る奴とか
いる訳ないだろ。
ま、今度から途中味見はした方が
良いな」
と苦笑した顔を忘れてはない。
俺を身を挺して守ってくれた
あの時から、この人……兄さんに、
どれだけ助けられてきたか。
俺は一生かかっても
返しきれないだろう。
「やっぱお前の料理、マジ美味いわ」
大好物の手作りカニクリームコロッケを
頬張りながら満足気に話す兄を見て
俺も笑い返した。
「良かったです」
「食い終わったら片付け、俺がやるから
お前は宿題とかやれよ。
ていうか、宿題みてやろうか?」
「ありがとうございます。
宿題は自分でやれるので大丈夫です。
片付けも俺がします」
俺の言い方が悪かったのか
徐々に兄の顔が曇ていく。
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