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初めての友達
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その日も何時もの様に
夕食後雑誌を見ている兄の横で
学校で起こった英語の授業での
副担任の不用意な発言で四堂君が
以来、英語を喋らなくなったと
話していたら、
「その子の為に腹を立ててるわけだ?
えらくお気に入りじゃん」
「お気に入りって」
「違うのか」
確かに最近仲は良い、少なくとも俺は
そう感じてる。
向こうはどうかは分からないけど。
「良かったじゃん、友達が出来て」
「友達……」
「だろ?」
兄は笑って俺を見た。
ああいうのが友達っていうんだ?
“友達”
その言葉自体が何だか気恥ずかしい。
初めて出来た友達と呼べる存在。
四堂君にもそう思って貰えたら
嬉しい……でもそれってどうやったら
確かめられるんだろうか?
その時の俺は照れて浮かれていたから
兄がもう一度良かったなと言って頭に手を乗せて
クシャクシャと撫でてくれた時、やはり兄が
笑っていたかまでは記憶が曖昧で
思い出せないでいる。
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