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その声で
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「……声、抑えて。弟が起きちゃうから」
「!!!」
「んんっ」
キスをして制してるのかその声は
再びくぐもって小さくなった。
その場を離れようにも
視線が釘付けになったままでは
どうすることもできず、多分数分間は
身動きもしない状態でその様子を
見ていたんじゃないかと思う。
曖昧な言い方なのは
あまりの衝撃でその記憶がハッキリ
してないからで。
その後どうやって部屋に
戻ってきたかも覚えてない。
布団を頭から被って目を強く瞑っても
痛むほどの動悸と手の震えが全然おさまらない。
頭の中ではさっきの光景が何度も
再現されていた。
しかも思い出すところは
女の人の方ではなくて。
『……声、抑えて』
『弟が起きちゃうから』
兄さんの声の部分だけ。
何度も何度も……。
再生され続けるソレは優しいとは違う
聞いたこともない種類の声。
「……!」
途端、ゾクリと身体に悪寒にも似た
何かが走る。
なに……コレ。
初めての現象と感覚に俺は怖くなった。
気持ち悪い。
身体が熱があるみたいに熱く
特にその部分に異様な違和感を感じる。
違和感の所在はすぐに分かった。
―――俺は、勃起していた。
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