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3ー9
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【セリデュクside】
メオの襟首を掴み、ハヅキは外へと出した。
「暫く、外で待っていて下さい…」
何故、メオを外に出したのか意味不明で私は首を傾げる。
「ふうぅ…」
一息吐くと、ガチャリと鍵を閉めたハヅキは私の目の前まで来て顔を近付けてきた。
エメラルドグリーン色の瞳が自棄に扇情的で心が跳ねる。瞳に映る彼は間違いなく私が一目惚れした相手。
彼が幼い頃からずっと見守ってきた。
成長するに連れて美人になっていくハヅキ。十二年という歳月で知った真実など、今ではどうでも良くなる。
鳴呼、私が愛したのはハヅキという一人の異端天使だ。
ウリエルとゼウダーの間に生まれた御子とか関係なく、一人の人物が愛しいのだ…。
「…メオ様が居たら…こんな風に触れられませんから」
軽く触れるだけの唇…。
少々顔を紅潮させるハヅキ。
そんな顔すら愛しく思う。
「ぼ、僕は…セリデュク様に仕える兵士でもあります。だけど…神と魔族の闘いの時は…母様の為に剣を振るってはいけませんか?」
私は彼の頬に手を伸ばす。
「それがハヅキの願いなら…好きにすると良い。ただ、約束してくれ。絶対に無理はしないと…」
「…」
「心配なんだ。ソナタを喪うんじゃないかと思うと…胸が締め付けられる…」
「セリデュク様…」
ソナタを喪ったら、私は私でなくなる。
クラエルが天神界を崩壊する様に、私も自ら魔界を崩壊するに決まっている。
ソナタを喪ったら…。
狂うの確定だ。
「愛しているんだ…」
心から…。
ソナタを。
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