アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3ー15
-
深い、深い闇の中で、ひっそりと沈む。
声なく声が…。
訴えている様だった。
“ベルゼ”を愛していた自分は何処に… 。
『クラエティア…』
――…“ベルゼ”。
差し伸べられた手を取る事は出来なかった。愛する自分と愛さない自分が常に葛藤していた気がする。
望むモノが大き過ぎた?
捨てるモノが少な過ぎた?
そんな自分に嫌気がさす。
裏切りが最大な罪だと思っていた。
裏切りこそ、穢れだと…。
『お前は間違っている。どうして…気付かない…“クラエティア”』
『五月蝿いっ!お前が俺を裏切った…裏切ったんだ…』
『慈しむのもまた…愛だろう。お前が國を愛しているのも慈しみからくるモノじゃないのか?』
まだ、夢の中…。
まだ…。
微睡みの中。
泡沫に消える、彼の人。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
59 / 229