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4ー12
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―天神界・エデンの城・秘密の地下室
ウリエルは、そっと眠っているであろう彼に触れた。
冷たい感じが肌に伝わってくる。柔な感触からして死んでいる訳ではなさそうだ。
ほっと安堵したウリエルは胸を撫で下ろす。
長年と知れ渡っていない地下室の存在を目の当たりにした時…『神と天使の融合実験』の他に妖しい研究をしているんじゃないかと疑った。
だが、その心配は無用だった様だ。地下室には古代の道具と彼だけ。
「可哀想に。ずっと暗い場所で一人で…」
案内した当のクラエルは急に吐き気がすると言い、部屋を出て行った。
一人取り残されたウリエルは静かに戻って来るのを待つ事しか出来ない。
「寂しかったでしょう?」
応えが返って来る訳でもないのに独り言を呟く。
寂しかった筈だ。ずっと一人、暗い場所で眠っている状態で放置されていたのだから。
ウリエルの瞳から一滴の粒が流れ落ちる。
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