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4ー15
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この世に誕生した時、初めての喜びを味わった。
一日一日が大事で、過ごしていく時間が大切だった。子供の成長は本当に早いと実感出来る。
あれから十二年、息子は立派な成長を成し遂げただろう。死ぬ前に顔を見れるとしたら神と魔族の闘いという戦場。
神王は惜しみなく兵を伴う。
無論、大天使達も狩り出す。魔界エリート組が出て来た場合を屈し、万全に備える。
その頃には自分は神王の一部となる準備を整えなければいけない。
侵されていく時間の中で自分は何を思うのかは検討が付く。
愛しい愛しい息子の姿だ…。
「私には一人息子が居ます。愛くるしい姿をしているのに…時折、父親の雰囲気を纏うんです。その度に私は実感するんですよ。鳴呼、やはり…あの人の血を引いていると…」
愛してはいけない人だった。
身分を弁える必要があったのに、それさえも叶わなかった。
彼の顔、声、抱き締める腕、熱を持った瞳に逞しい身体。思い出すだけで心臓が跳ね上がる。
ウリエルが張っていた虚勢すら剥がしていく。
見透かしているであろう青金色の双眸に見つめられると身体が溶けていきそうになる。
そんな彼の遺伝を息子は引き継いだ…。
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