アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
福田の一日
-
「あ・・・。覚えててくれたんすね、紗英(さえ)の命日。」
西村はフッと少し悲しげな表情を浮かべる。
「あぁ・・・。もう2年経つんだね。時が流れるのは早いね・・・。」
福田が言うと、西村は写真の中の笑顔を見つめて目尻に涙を浮かべる。
「ねえ、僕がいるから・・・。もう、泣いたりしないで・・・。」
福田が西村を抱き締める。
「っ・・・すんません・・・。」
顔を俯かせて西村も福田を抱き締め返す。
福田が西村の背を撫でると、小さくすいません、すいません・・・と呟きながら一層抱き締める腕をきつくした。
この様子を見ると、西村は妹と相当仲が良かっただろうことが伺える。
家族って・・・どういう感じなのかな。
俺は機械だから、家族の絆とかいうものは一生わからないだろうと思う。
だから、妹を思って涙を流せる西村の事が少し羨ましくもあった。
・・・不謹慎、かな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 12